名実ともに実用時計の王とされるロレックスは、もはや手頃な価格のモデルが希少で、ステンレスモデルですら高級時計という印象が強まっている。一方、国産ブランドの最高峰であるグランドセイコーは、30万円台で手に入るモデルもあり、ビジネスシーンにも適した多くの時計が揃っている。海外での評価も上昇中で、最高の実用時計としての地位を確立しつつある。
本連載ではグランドセイコーの魅力を、文字盤デザイン、外装、ムーヴメントの観点から紹介する。初回は個性豊かな“文字盤デザイン”に焦点を当てる。
**グランドセイコーとは**
1960年に最高級の腕時計を作るために開発されたブランドで、精度や耐久性を追求し続けている。スイス・クロノメーター規格を超える精度基準を満たす“グランドセイコー規格”を設け、3つの代表的ムーヴメント(9Sメカニカル、9Fクォーツ、9Rスプリングドライブ)を搭載したコレクションが高く評価されている。
**グランドセイコーの魅力① 文字盤デザイン**
グランドセイコーは、日本の美意識を反映したデザインが特徴で、控えめながらも個性的な文字盤が多く存在する。以下の3モデルを紹介する。
1. **エボリューション9 コレクション/SLGH005**
大谷翔平選手がヌートバー選手に贈ったモデル。白樺林をイメージした文字盤が魅力的で、型打模様と繊細なカラーリングが施されている。
– **Ref.** SLGH005, **径** 40mm, **防水** 10気圧, **価格** 121万円
2. **キャリバー9R 20周年記念限定モデル/SBGA499**
スプリングドライブムーヴメントの誕生20周年を記念したモデル。秋の穂高連峰をイメージした美しいカラーリング。
– **Ref.** SBGA499, **径** 40.2mm, **防水** 10気圧, **価格** 79万2000円(限定1300本)
3. **キャリバー9R 20周年記念限定モデル/SBGA497**
長野県の朝焼けに染まる雪原を連想させるグラデーション文字盤が魅力。華やかでありながら控えめな印象。
– **Ref.** SBGA497, **径** 41mm, **防水** 10気圧, **価格** 86万9000円(限定1500本)
これらの時計は、日本の自然と四季の美しさを表現したデザインが特長で、スイス時計にはない和の心が感じられる芸術的な作品である。
次回は、グランドセイコーの独自素材や外装の仕上げについて紹介し、その魅力をさらに深掘りする予定だ。